「アプサラダンス」でシェムリアップの夜を彩ろう!麗しい天女たちの舞踊

アプサラダンス3
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カンボジアを訪れたら必見!アプサラダンスの美しさに酔いしれよう。東南アジアの他の国々とは異なる、ゆったりとした音楽とダンスのリズムが特徴的です。アンコールワットで有名なシェムリアップでは、夕食を楽しみながら優雅な伝統舞踊を鑑賞することができます。アプサラダンスはどのような踊りなのか、歴史や見どころ、鑑賞場所などを紹介いたします。

目次

アプサラダンスの起源

カンボジアの伝統舞踊

カンボジアの伝統舞踊は、アンコール時代に起源があると言われています。ジャヤヴァルマン2世により繫栄した、アンコール朝の宮廷舞踊のひとつとして9世紀初期から踊られてきました。

デバダー1

スールヤヴァルマン1世が統治する、アンコール朝が全盛期を迎えた12世紀前半には、アンコールワットの建設がはじまり、壁画にはダンスを踊るデバターが描かれました。12世紀末にジャヤヴァルマン7世が再興したアンコールトムの中心「バイヨン」にも、ダンスを踊るデバターがレリーフとして刻まれています。

当時のカンボジアの寺院(現在の遺跡)は、政治のために王(下界)が神様(天界)と交信する場所とされていました。踊り子は、この天界と下界を繋ぐ役割を担っていました。そのため、王室行事や雨乞いの儀式のなどで美しい舞踊を演じることが期待されていました。王や君主は、それぞれ自身の舞踊団を持つことが権威の象徴とされていました。

タイの文化と混合

13世紀以降、カンボジアは隣国であるタイのアユタヤ朝やベトナムのフエ朝の攻撃により衰退していくこととなります。1432年には、ついにアユタヤ朝によってシェムリアップのアンコール・トムが陥落し、アンコール朝は崩壊してしまいました。アユタヤ朝により、宮廷の音楽家や踊り子など約9万人が捕虜として拘束され、クメール文化はほぼ消え去りました。

そのような状況でも、タイのアユタヤ朝でクメール文化は受け入れられていき、タイの文化と混合しながらも新たな要素を取り入れながらも発展していきました。

フランス・マルセイユにて披露

19世紀のフランスによる植民地支配時代においても、舞踊を始めとするカンボジアの伝統芸能は勢いを失うことはありませんでした。20世紀にはいると、舞踊は宮廷舞踊として王室に保護されることとなります。1903年には、フランスのマルセイユで開催された植民地博覧会で宮廷舞踊は披露され、カンボジアの伝統舞踊は欧米社会でも広く知られることなりました。

カンボジアの伝統舞踊には様々な演目がありますが、アプサラダンスが完成したのは、ちょうどフランスによる支配下、20世紀半ばといわれています。アンコールワットの壁画に描かれた、ダンスを踊るデバターを模して、アプサラダンスは創作されたそうです。

クメール・ルージュの大量虐殺

カンボジアにおいて1975年から4年間続いたポルポト政権下では、知識人や外国人、そして芸術家たちも含め、多くの人々が処刑や投獄の対象となりました。クメール・ルージュの大量虐殺により、長い歴史を誇るカンボジア伝統文化は破壊される結果となりました。

このような状況の中でも、海外に逃れていた芸術家や踊り子は生き残っていました。僅か数名の生存者たちにより、クメール伝統文化の再興をもたらし、1981年には伝統芸能を学ぶ場所として芸術学校が再編されるまでに至りました。伝統舞踊アプサラダンスの歴史には、多くの人々が願い奮闘した、カンボジアのアイデンティティが込められているものといえます。

アプサラダンスの魅力

踊り子たちの手や指の動きに注目

アプサラダンスには、4500以上の踊りのパターンがあります。これらを体に覚え込むには、数年の猛練習が必要とされます。踊り子たちの反り返った手や指の動きにも意味があり、それぞれ異なる意味があるとのことです。手、首、足の動き、そして視線によって演目の登場人物を表現しています。アプサラダンスを鑑賞する際には、指先や足先まで注目することをお勧めします。

美しいクメール様式のドレス

アプサラダンス2

アプサラダンスはもともと宮廷舞踊として誕生したため、衣装や装飾品も非常に華やかで美しいものとなっています。カンボジアは13世紀のタイ・アユタヤ朝の侵略以降、タイ様式の衣装や装飾が一般的になりました。それをコマサック女王が、20世紀半ばアンコール遺跡のレリーフをモチーフにした古代クメール様式への回帰を成功させたといわれています。

神秘的な音楽

楽器1

アプサラダンスでは、一般的に、木琴・鐘・太鼓などの7種類の伝統的な打楽器が使用されます。カンボジアの伝統音楽においては、各楽器が奏でる音の調和を最も重視しています。この調和のとれた音色が絡み合った神秘的な音楽は、アプサラダンスの優雅でゆったりとした動きと完璧にマッチします。

アプサラダンスの演目

カンボジアの伝統舞踊ショーには、さまざまな演目が組み合わされています。このショー全体を総称してアプサラダンスショーとされることが多いですが、アプサラダンス以外の演目にもそれぞれ独自の特徴があります。中には、女性の踊り子だけでなく男性も参加するものもあります。

アプサラダンス(Apsara Dance)

カンボジア伝統舞踊の代名詞ともいえるアプサラダンス。満開の庭園で遊ぶ天女たちの様子を表現しています。白い衣装を身にまとった中央の女性が「姫」を演じ、周囲の踊り子たちは「侍女」の役割を演じています。ショーの最大の見どころとなっているため、クライマックスを飾る最後に演じられることが多いです。

漁師のダンス(Fishing Dance)

男女の踊り手が魚の捕り籠を持ち、漁師に扮して踊る演目です。カンボジアの民族舞踊の一つで、初々しい恋の駆け引きもあり魅力的です。

ココナッツダンス Coconut Dance

漁師のダンスと同様、カンボジアの民族舞踊の一つです。半分に割ったココナッツの殻をリズミカルに叩きながら踊る、躍動感あふれるダンスです。

金の人魚のダンス Golden Fish Dance

古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ物語」からの一節であり、ランカ島に攫われたシータ姫を取り戻すため、猿の武将ハヌマーンが、魔王の娘である人魚に助けを求める場面が描かれています。このダンスには、観客に笑みを誘うコミカルなやりとりが見どころです。

シェムリアップでアプサラダンスを鑑賞しよう

シェムリアップ市内には、アプサラダンスのディナーショーが楽しめるレストランがあります。ダンスのみの鑑賞も可能ですが、ディナーとダンスショーのセットが一般的です。ステージの近くなど鑑賞しやすい座席は、観光シーズンだと早々に埋まってしまうほど人気のショーです。出発前に予約を済ませておくことで、安心して旅行を楽しむことができます。ここでは、アプサラダンスを鑑賞しながら美味しい料理を楽しめるレストランを3つご紹介します。

クーレン2 Koulen II Restaurant

シヴォタ通りの「ラッキーモール」の向かいにあるクーレン2レストランは、アプサラダンス鑑賞には欠かせません。ガイドブックでも頻繁に取り上げられる老舗レストランです。600人収容可能な広々とした会場で、夕食とダンス鑑賞を同時に楽しむことができます。ビュッフェスタイルの食事は、大人も子供も楽しめます。

レストラン名Koulen II Restaurant
住所5, Street Sivutha, Mondul 2 Village, 17252, Cambodia
電話+855 92 630 090
営業時間11時~22時
(ビュッフェ開始:18時、ショー開始:19時30分)
Webサイトhttps://www.koulenrestaurant.com/

アプサラシアター Apsara Theater

アプサラシアターは、ラグジュアリーホテルのアンコール・ビレッジホテル内にあります。カンボジア料理を味わいながらアプサラダンスなどのショーを楽しめる贅沢な空間です。静かで落ち着いた雰囲気が特徴で、お食事を楽しみたい方には最適な場所です。

レストラン名Apsara Theater
住所Street 26, Wat Bo Road Opposite Angkor Village Hotel, Siem Reap Cambodia
電話+855 63 963 361
営業時間19時~21時30分
Webサイトhttps://angkorvillagehotel.asia/theatre/

ポー・クイジーヌ Por Cuisine

シェムリアップの郊外に位置するポー・クイジーンは、ゆったりとした食事を楽しみたい方におすすめです。メニューは、フランス料理とカンボジア料理を組み合わせた創作料理が中心で、素材には地元産のものを使用しています。店内は、茅葺き屋根の吹き抜けが特徴的です。特に夜はロマンチックな雰囲気が漂う中、カンボジア伝統舞踊のショーを楽しむことができます。

レストラン名Por Cuisine
住所No. 298, St. 22, Wat Bo Village, Sangkat Sala Kamroeuk, Siem Reap City, Siem Reap
電話+855 78 969 997
営業時間ランチ:11時~14時 / ディナー:18時~22時
(アプサラダンスショー:7時30分~8時30分)
Webサイトhttps://www.porcuisine.com/

アプサラダンスを見に行こう

カンボジアの伝統舞踊であるアプサラダンスは、アンコールワットをはじめとする遺跡のレリーフやデバダーに色濃く残っています。実際にアプサラダンスを鑑賞することで、より深くクメール文化について学ぶことができます。

伝統芸能は、敷居が高い印象を持つ方も多いかもしれませんが、カンボジアのシェムリアップには、手軽に楽しめる場所がたくさんあります。シェムリアップへ旅行の際は、ディナーと一緒にアプサラダンスの鑑賞をしてみてはいかがでしょうか。

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