タイには5つの世界遺産がありますが、最も有名と言われているのが「アユタヤ遺跡」です。この遺跡は、1991年にユネスコによって世界遺産に登録されました。アユタヤ遺跡は、、1350年にシャム王国のウートン王が開いたアユタヤ王朝に起源があります。アユタヤ王朝時代には、上座部仏教が主流で多数の寺院が建立されました。現在でも初期アユタヤ王朝時代の寺院が多く残っていますが、その中でも特に見逃せない5つの遺跡を紹介します。
世界遺産アユタヤ歴史公園
アユタヤ歴史公園は、タイ王国中部のアユタヤ県に位置する、タイの首都バンコクから約80キロメートル北にある世界遺産です。アユタヤ王朝の首都として1350年から1767年にかけて栄えた都市であり、多くの遺跡や仏教寺院が残っています。
この歴史的遺跡群は、寺院の他にも仏塔や城壁などアユタヤ王朝の栄華を伝えるものです。突然現れる巨大な仏塔や涅槃仏、またビルマ軍の進軍にも耐え抜いた歴史的な寺院など、タイの歴史を実感できる場所が数多く存在します。その中でも代表的なものは、ワット・マハータートとワット・プラ・シーサンペットは、アユタヤ歴史公園の中でも代表的で、国内外から多くの人が訪れています。
ワット・マハタート

アユタヤ歴史公園の観光に欠かせないスポットが、ワット・マハタートです。木の根元に刻まれたブッダの顔は、見逃せません。この寺院は、1374年にタイの3代目の王によって建立されたものであり、別名「ワット・プラマハタート」とも呼ばれています。
ワット・マハタートが建立された当初には、高さ44メートルの仏像が建てられていたと言われています。しかし、ビルマ軍による侵攻の際に、タイ人の信仰心を侮辱するために、多くの仏像の頭や胴体が切り落とされてしまいました。ビルマ軍はこれらの切り落とされた部分を勝利の証として持ち帰りましたが、中には置き忘れられた部分もありました。そして、長い年月を経て、忘れられた仏像の一部が木の根に包まれて、今のような形になったと言われています。
名称 | ワット・マハタート |
英語 | Wat Mahathat |
営業時間 | 8時00分~18時00分 |
料金 | THB50 |
ワット・プラシーサンペット

ワット・プラシーサンペットは、1491年にアユタヤ王朝のロムトライロッカナート王によって建設されたました。この寺院にはかつて、16メートルもの黄金仏がありましたが、ビルマとの戦いにより失われました。現在は、仏塔や柱の遺構が残るのみです。
この寺院は、バンコク王朝のエメラルド寺院と同様に、アユタヤ王宮内にあった最も重要な寺院の1つです。また、この寺院は、アユタヤ王朝の3人の王が眠る守護寺院として、タイの歴史的な価値を持っています。
名称 | ワット・プラシーサンペット |
英語 | Wat Pra Srisanpet |
営業時間 | 8時00分~18時00分 |
料金 | THB50 |
ワット・ヤイ・チャイ・モンコン

1357年にセイロン(現在のスリランカ)に留学していたタイの修行僧たちが、タイに帰国した際に瞑想の場所を必要としていました。そのために、ウートン王によって高さ72mの印象的なスリランカ様式の仏塔が建設されました。この仏塔は、遠くからでも目を引く美しい建物として知られています。
ワット・ヤイ・チャイ・モンコンの仏塔は、アユタヤ王朝19代ナレスアン王はビルマ軍の王子との一騎打ちに勝利し、その勝利を記念して1592年に建設されました。この仏塔には登ることができ、周囲の景色を楽しむことができます。とても魅力的なアユタヤを象徴する寺院です。
名称 | ワット・ヤイチャイモンコン |
英語 | Wat Yai Chai Mongkon |
営業時間 | 8時00分~17時00分 |
料金 | THB20 |
ワット・ロカヤスター

ワット・ロカヤスターに訪問すると突如としてあらわれる、高さ5m、全長28mにわたる巨大な涅槃仏は、その迫力満点の大きさで注目を集めます。
涅槃像には、釈迦が80歳で入滅する姿が表現され、脚を揃え、微笑みを浮かべ、閉じられた目が特徴です。また、目を開いている涅槃像は、最後の説法をする釈迦を表し、閉じた目の涅槃像は、完全な入滅を表現しています。
ワット・ロカヤスターは、ビルマ軍の攻撃によってアユタヤ王朝中期に崩壊しましたが、1956年に再建されました。献花台には、金箔で飾られた小さな涅槃仏が置かれており、訪れた人々はお花やお線香、金箔などを売り子から購入し、お供えすることができます。
名称 | ワット・ロカヤスタラーム |
英語 | Wat Lokaya Sutharam |
営業時間 | 8時30分~16時30分 |
料金 | 無料 |
ワット・チャイワッタナーラーム

アユタヤ王朝の24代目プラサートトーン王は、亡くなった母親のために、1630年にワット・ロカヤスターを創建しました。
ワット・ロカヤスターには、中央に高さ35mの主塔と大小12の仏塔が配置されています。この主塔はクメール様式で建てられ、カンボジアにあるアンコールワットに似ているため、カンボジアとの戦いに勝利したことを記念して建設されたともいわれています。
ワット・ロカヤスターは、アユタヤ王朝時代から王室寺院として王の法事を執り行う役割を担っていました。しかし、1767年のビルマ軍の侵略により、多くの仏像の頭が切り落とされ、財宝も略奪されてしまいました。その後、1987年に一部改修工事が行われ、現在でもクメール様式の仏塔を見ることができます。
名称 | ワット・チャイワッタナラーム |
英語 | Wat Chai Wattanaram |
営業時間 | 8時~18時 |
料金 | THB50 |
世界遺産アユタヤ歴史公園に行こう
いかがでしたか?アユタヤ歴史公園には、これらの寺院の他にも多くの遺跡や見所があります。タイの歴史や仏教文化に触れながら、静かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。魅力的な観光地を巡る旅は、きっと思い出に残るものになることでしょう。