トーマス・ラッフルズ:シンガポール建国の父

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シンガポールは、東京23区ほどしかない小国ですが、1965年にマレーシアから独立して以来、東南アジアの中心都市として発展を続けています。その中でも、観光スポットとして欠かせないのが、ラッフルズ卿上陸地点やラッフルズホテルです。ラッフルズという名前は、実は人の名前であり、その方の功績が称えられています。ラッフルズ卿を知ることで、シンガポールを覗いてみましょう。

目次

ラッフルズ卿はシンガポール建国の父

観光地の名前として有名なラッフルズは、実は人の名前です。トーマス・スタンフォード・ビングレイ・ラッフルズ(Sir Thomas Stamford Bingley Raffles)の、ラッフルズがシンガポールにある観光地の名前として多く用いられています。

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ラッフルズ卿は、14歳からイギリス東インド会社で働き、マレーシアのペナン島、インドネシアのジャワ島やスマトラ島などで活躍しました。

1819年、ラッフルズ卿はシンガポールに上陸し、混乱していたジョホール王国内部を利用して、植民地建設を進め、自由貿易港として開港しました。ラッフルズ卿は、以前からシンガポールの地理的重要性に注目しており、現地の状況を詳細に把握したうえで、東インド会社の上層部を説得し、シンガポール確保政策を進めたとも言われています。

1824年には、オランダとの協定の下でイギリス東インド会社がシンガポールを買収し、シンガポールは正式な英国領となりました。ラッフルズ卿の勤勉さや努力が、その後のシンガポール発展の土台となったのです。彼の物語は、才能と努力が実を結ぶ素晴らしい例証です。

ラッフルズ像がある場所

ラッフルズ卿は、シンガポールの建国者として知られており、シンガポールには彼を讃える2つの像が立っています。

ラッフルズ卿上陸地点

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ラッフルズ卿がシンガポールに初めて上陸した場所を記念して、ラッフルズ卿上陸地点が造られました。この場所は、シンガポール建国150周年を祝して、1972年に設置されたもので、観光客だけでなく、地元の人々も訪れて写真を撮る人気のスポットです。マーライオン公園のおまけと見られることがありますが、歴史的にも重要な場所であるため、訪れた際にはぜひ記念撮影をしてみてください。

ヴィクトリア・メモリアル・ホール前

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シンガポールにあるもう1つのラッフルズ像は、エンプレス・プレイスにあるヴィクトリア・メモリアル・ホールの前にあります。ナショナルデーには、赤と白のライトアップで飾られ、より荘厳な印象を与えます。特に夜は趣があり、おすすめのスポットです。

ラッフルズ卿により設立されたシンガポール植物園

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1822年にラッフルズ卿によって実験植物園として設立されたシンガポール植物園は、東京ドームの約13倍に相当する広大な敷地を誇ります。ユネスコ世界遺産に登録されたこの植物園では、何千種類もの植物を観賞することができます。また、珍しい植物もたくさんあり、観光客やシンガポール人の間で人気の観光スポットです。

ラッフルズ卿が由来となったラッフルズホテル

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ラッフルズホテルは、シンガポールで最も高級で格式の高いホテルとして、多くの人が憧れる存在です。イギリス植民地時代を思い起こさせるコロニアル様式の建築物であり、シンガポールを代表する象徴的な存在でもあります。他にも高級ホテルは存在しますが、ラッフルズホテルほど荘厳な存在はなかなかありません。

ホテル名の由来ともなったラッフルズ卿がシンガポールに上陸してから70年近く経った1887年12月、わずか10部屋しかないバンガローとして開業されました。ホテル正面に広がる「ビーチロード」という通りの名前が示すように、かつてはホテルの目の前には海が広がっていました。しかし、埋め立てが進んでいる現在では、海岸線から500mほど離れた場所に位置しています。小さな国土のシンガポールでも、少しずつ拡大しています。

喜劇王チャールズ・チャップリン、英国王室のウィリアム王子とキャサリン妃、ジョージ・ルーカス、そして嵐の櫻井翔など、世界的なセレブリティたちが宿泊したことでも知られる「ラッフルズホテル」。その高級さゆえ、宿泊料金は決して安くはありませんが、一度は体験してみたいと願う人も多いことでしょう。シンガポール旅行の醍醐味の一つでもある、ラッフルズホテルでの宿泊。贅沢な時間を過ごしてみるのも良いかもしれません。

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ラッフルズホテルの美しい外観に加えて、ホテルに欠かせない存在といえば「ドアマン」でしょう。清潔感あふれる白い制服は一流ホテルの高級感を演出し、多くの観光客を惹きつけます。声をかけると、気軽に写真撮影に応じてくれるので、ぜひお願いしてみてはいかがでしょうか。

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「シンガポール・スリング」というカクテルは、シンガポールを代表するドリンクの一つとして知られています。実は、このカクテルはラッフルズホテルのバーテンダーが1915年に考案したものです。シンガポール・スリングは、ラッフルズホテル以外でも提供されていますので、シンガポールに来たらぜひ味わってみてください。

ラッフルズ卿が発見したもの

ラッフルズ卿は、様々な分野に興味を持ち、自ら調査団を率いてジャングルを探検するなど、多彩な才能を持っていました。シンガポールとは異なりますが、ラッフルズ卿が発見したものをご紹介します。彼の偉大さが伝わることでしょう。

ボロブドゥール遺跡

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ラッフルズ卿は1814年、ジャワ島の密林に隠されていたボロブドゥール遺跡を発見しました。この遺跡は、再発見されるまで1000年間もジャングルの奥深くに眠っていたとされ、その存在に驚かされます。ボロブドゥール遺跡がジャングルに隠されていた理由には、「火山の降灰によるもの」や「イスラム教徒による破壊を恐れた地元住民が隠した」など、諸説があります。

ラフレシア

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ラッフルズ卿は、世界最大級の花「ラフレシア」も発見しました。調査隊の隊長はラッフルズ卿の名前を冠して、この花を「ラフレシア」と命名したそうです。自分の名前を花に冠せられるというのは、驚くべきことです。残念ながら、シンガポールではラフレシアを見ることはできません。ラフレシアはマレーシア半島、フィリピン、スマトラ島、ボルネオ島などに分布しています。

ラッフルズ卿に会いに行こう

ラッフルズ卿はシンガポールだけでなく、東南アジア各国に大きな影響を与えた偉大な人物です。ラッフルズ卿の提唱した自由貿易に基づいて、現在のシンガポールは国際的な金融都市として発展を遂げています。小さな面積を持つシンガポールですが、アジアにおいて重要な金融のリーダーとして成長を続けています。

歴史を深く知ることで、その国の魅力をさらに深く理解することができます。シンガポールを訪れる理由の一つは、ラッフルズ卿をはじめとする豊かな歴史にあるかもしれません。

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