アンコール遺跡群は、世界中の多くの人々が一度は訪れてみたいと憧れる世界遺産です。1992年にユネスコの文化遺産に登録されて以来、その美しさと歴史的価値は世界中で高く評価されています。以前はカンボジア自体の治安が悪く、訪れることも危険な場所でしたが、現在では治安面でも大きく改善され、観光客が気軽に訪れられるようになりました。アンコール遺跡群は、その雄大な姿と歴史的な価値から、世界中で最も人気の高い観光スポットとして知られています。
アンコール遺跡群とは
カンボジア北西部にあるアンコール遺跡群は、クメール王朝時代の遺跡群で、1992年にはユネスコの世界危機遺産に登録されました。その後、修復活動が進められ、2004年には世界文化遺産に登録されました。600を超える石造りの遺跡が残されており、その総面積は400㎢に及びます。
アンコール遺跡公園と名付けられたエリアには、ゾーン1とゾーン2が設定され、周囲には112の村や13万人の住民、森林、水田、放牧地が広がっています。地元の人々は、自然環境を保護し、景観を維持するために努めています。アンコール遺跡群は、カンボジアの歴史と文化を象徴する存在として、多くの人々から愛されています。
長い年月を経てもなお、アンコール遺跡群はその美しさと歴史的重要性を失うことはありません。多くの観光客が訪れ、自然と歴史を感じることができます。また、日本からの観光客も多く、その数は年々増加しています。遺跡群内には、それぞれ異なる特色を持つ建造物があり、見どころが満載です。一日では回りきれないほどの規模を誇るため、じっくりと見学することをお勧めします。
アンコール遺跡群の歴史
クメール王朝の首都跡であるアンコール遺跡群は、9世紀頃から王たちによって建設が始められました。建設に特に大きく貢献したのは、スーリヤヴァルマン2世とジャヤーヴァルマン7世です。スーリヤヴァルマン2世はアンコール・ワットの建設に尽力し、その後ジャヤーヴァルマン7世がアンコール・トムの大部分を築いたとされます。
しかし、ジャヤーヴァルマン7世の死後、アンコールはアユタヤ朝の攻撃を受け、その存在が脅かされました。さらに、ポニャー・ヤット王はアンコールを放棄するに至りました。これにより、アンコール遺跡群は長い間放置され、ジャングルに覆われるまで荒廃していました。
アンコール遺跡群の特徴
アンコールワットをはじめとするアンコール遺跡は、ヒンドゥー教の影響を受けたクメール建築で建てられています。神々の宮殿には岩やレンガが、王の宮殿には木材が使われ、建材の使い分けが特徴的です。また、美しいレリーフが多数刻まれた建築物は、アンコール遺跡の象徴とも言えます。
アンコール遺跡群へのアクセス
アンコール遺跡群は、カンボジアの北西部のシェムリアップに位置しています。日本から直行便が飛んでいないため、カンボジアの首都プノンペンやタイ、韓国などの隣国へ行き、そこから飛行機で向かうことが一般的です。
遺跡群自体はシェムリアップの街から少し離れており、街中からタクシーやトゥクトゥクを利用して20分ほどで到着します。遺跡群には多数の見どころがあり、全てを回るには時間がかかるため、トゥクトゥクなどの一日チャーターがおすすめです。
アンコール遺跡群のみどころ
400㎢にもわたる広大な面積に分布する600を超える石造りの遺跡は、アンコール遺跡群の魅力の一つです。シェムリアップから比較的近い、中心部に位置するおすすめの遺跡を紹介します。
アンコール・ワット
アンコール遺跡群の中でも最も人気が高いのが、世界最大級の石造り寺院であるアンコール・ワットです。12世紀に建設されたこの寺院は、回廊の壁面に緻密に描かれたレリーフが特徴で、その美しさには目を見張るものがあります。大きな寺院自体の迫力もまた、訪れた人を圧倒するでしょう。
特に観光客に人気なのが、早朝のアンコール・ワットです。日の出に合わせて寺院に訪れると、幻想的な景色を見ることができます。一度は体験しておきたい魅力的なスポットです。
アンコール・トム
アンコール遺跡群の中でも、アンコール・ワットに次いで有名なのがアンコール・トムです。特に中央にあるバイヨン寺院は、人面像が彫られた塔が独特の雰囲気を醸し出し、クメールの微笑と称されるほど美しいです。また、象のテラスやピミアナカスといった見どころもあります。
タ・プローム
カンボジアのアンコール遺跡群で見られる特別な景色を楽しむことができるのが、タ・プロームです。この遺跡はアンコールトムの東側に位置し、東西約1,000メートル、南北約700メートルの壁に囲まれた敷地内にあります。
ここには、300年以上の樹齢を持つガジュマルという木々に覆われた寺院や仏像が存在します。大きな木と寺院が一体化している光景は、文化と自然が調和している美しい風景として注目されています。タ・プロームはジャングルに放置されていたため、自然に覆われた遺跡としても知られています。
まとめ
カンボジアのアンコール遺跡群は、クメール王国の壮大な文化遺産であり、世界中から多くの人々が訪れます。アンコールワットをはじめ、バイヨン、タ・プロームなど、それぞれに異なる魅力を持った遺跡があります。これらの遺跡は、人々の信仰と技術、そして芸術の粋が詰まった、まさに驚異的な存在です。カンボジアのアンコール遺跡群は、世界的にも貴重な遺産であり、これからも多くの人々に愛され続けることでしょう。