カンボジアの観光といえばシェムリアップ周辺にあるアンコール遺跡群が有名ですが、シェムリアップ郊外にも、アンコール・ワットに並ぶ美しい遺跡がたくさんあります。それぞれ独自の魅力を持ち、訪れる人を魅了しています。アンコールワットだけではもったいない遺跡観光。今回は、シェムリアップ郊外にある遺跡をご紹介します。シェムリアップ中心地より距離がありますが、自然に囲まれた郊外ならではの特徴を持つ遺跡は必見です。
ベンメリア遺跡
カンボジアの東に位置するベンメリア遺跡は、アンコールワットから東に約50km離れた場所にあります。この遺跡は、発見された当時から修復されず、ジャングルに覆われた巨大な遺跡として知られています。周囲を環濠に囲まれた3重の回廊、中庭、中央祠堂など、アンコールワット遺跡と多くの共通点を持つため、「東のアンコール・ワット」と呼ばれることもあります。また、アンコールワットと比べて比較的空いているため、散策することも楽しめます。さらに、雨季には苔が生え、神秘的な雰囲気が漂うため、大変人気があります。ベンメリア遺跡は、歴史と自然の美しさを同時に楽しむことができる、見逃せないカンボジアの遺跡の一つです。
コー・ケー遺跡群
この遺跡群は、コー・ケー出身のジャヤーヴァルマン4世が王位についた際に一時的な王都となり、その後息子のハルシャーヴァルマン2世が継承したと言われています。コー・ケー遺跡群は、16年間だけ王都として使用され、その後忘れ去られ、略奪に遭いながらもジャングルにその姿を残していました。特に、プラサット・トムという巨大なピラミッド型寺院が見どころの一つであり、コー・ケー様式として知られるレリーフや彫刻は際立って美しいものが多く見られます。
バンテアイ・スレイ
967年にアンコール王朝の王師であったヤジュニャヴァラーの菩提寺として建造された、周囲約400mの小さな寺院があります。この寺院は、赤色砂岩やレンガで造られた優美な造形が特徴で、アンコール遺跡の中でも最も美しいと評されています。特に、第二回廊に精巧に彫られた「マハーバーラタ」のレリーフや、祠堂の壁面に描かれた「東洋のモナリザ」と呼ばれるデヴァダー像は有名です。これらのレリーフや像には、神話的な世界が描かれており、思わず引き込まれるような魅力があります。
プレアヴィヒア
「プレアヴィヒア」は、「聖なる寺院」という意味を持つ、カンボジアの美しい遺跡です。この遺跡は、タイとの国境に位置しており、シェムリアップ市内から車で約4時間かかりますが、その素晴らしい景観を見るためには行く価値はあります。プレアヴィヒアは、山の頂上に建てられているため、天空の寺院とも呼ばれ、広大な地平線を一望できます。さらに、写真を撮るのに最適な場所でもあります。この美しい遺跡を訪れると、心と体がリフレッシュされ、素晴らしい体験をすることができます。
クバール・スピアン遺跡
シェムリアップ市内から車で約1時間半、さらに山を40分ほど登った先にあるクバール・スピアン遺跡。クバール・スピアン遺跡は、カンボジアのシェムリアップ川源流に位置し、川底にはヒンドゥー教の神々の彫刻や千本リンガと呼ばれる彫刻が点在しています。雨季には川の水が増水して、彫刻が見えなくなることがありますが、乾季には川の水位が下がってリンガや彫刻がよく見えるようになります。この遺跡は、自然と歴史が融合した美しい景観を楽しむことができる、シェムリアップ近郊の見逃せない観光スポットの一つです。
プノンクーレン
プノンクレーンは、アンコール発祥の地とされ、信仰の場としてカンボジア全土から多くの人が訪れます。シェムリアップから北へ約50キロに位置し、山頂には滝やプレアアントン涅槃像、千本リンガの遺跡があります。特に注目すべきは、16世紀に建立された全長約9.4mの巨大涅槃像です。この横になった金色の仏像は、驚くほどの迫力を持っています。
シェムリアップ郊外の遺跡を探検しよう
シェムリアップ郊外にあるプレアビヒア、ベンメリア、クバルスピアンの遺跡は、アンコール遺跡群に比べて知名度は低いものの、それぞれに独自の魅力があります。プレアビヒアは雄大な景観を誇り、ベンメリアはアンコールワットに匹敵する壮大な建造物、クバルスピアンは川底に点在する神秘的な彫刻が見どころです。アンコール遺跡群とは一味違う、秘境的な雰囲気を味わいたい方にはぜひ訪れてほしい場所です。