タイのルーイ県ダンサーイ市は、ラオスとの国境沿いに位置し、毎年開催されるピーターコーン祭りで知られています。このユニークなお祭りでは、華やかなお面を身にまとった仮装人たちによる圧巻のパレードが繰り広げられます。賑やかな祭りの雰囲気に身を置きながら、他では得られない思い出をタイで作りませんか?
ピーターコーン祭りとは
ピーターコーン祭りは、毎年6月から7月にかけて、タイのルーイ県ダンサーイ市にて開催されます。このお祭りは、有名な仏教説話に基づく祭りであり、収穫前の雨乞いや厄払いの目的を持っています。「ピー」は霊、「ター」は目、「コーン」は仮面劇を意味します。
このお祭りでは、若者たちが精霊に扮し、崇高な仏像に従って行進します。お祭りのハイライトは、華やかで活気にあふれたピーターコーン・パレードです。若者たちは鮮やかな衣装を身にまとい、色とりどりの仮面やマスクをつけ、躍動的なパフォーマンスを披露します。ピーターコーン祭りは、まさにタイ版のハロウィンとも言えるイベントです。
2023年のピーターコーン祭りは6月23日(金)~6月25日(日)に予定されましたよ。
ピーターコーン・パレード
パレードで使用されるお面は、ココナッツの木から作られ、頭上には枝などの細工が施された蒸し籠が付けられたデザインが特徴です。各チームごとに揃えられた衣装は、それぞれの個性やアイデアが光り、見るだけでも楽しい気分になります。
パレードへの参加者は、地元の家族や子供たちを含むローカルなコミュニティから、航空会社や通信会社などの大手企業、そしてタイ国内から訪れる人々まで多様です。観光客も気軽に参加でき、会場は活気にあふれ、和やかな雰囲気に包まれています。
パレードは、専用のシートが通りの両脇に設置されており、そこから観覧することができます。シートのチケットは事前に購入する必要があります。
ダンスコンテスト
さらに、ピーターコーン祭りではダンスのコンテストも開催されます。参加者たちは独自のお面や仮装を作り上げ、リズミカルな音楽に合わせて繰り広げられるダンス競技に挑みます。美しさや技巧を競い合いながら、観客たちはその魅力に酔いしれます。
ピーターコーン祭りの楽しみ方
パレードの前日に街に到着したら、まずはピーターコーンミュージアムを訪れてみましょう。ここではお祭りに関する様々な展示を楽しむことができます。さらに、小さな仮面作りのワークショップにも参加できます。旅の思い出にぴったりの記念品となるでしょう。
そして、パレード当日は、仮装した人々だけでなく、美しい民族衣装を身にまとった人々や泥の妖精の姿をした人々などが集まり、街全体がお祭りムードに包まれます。通り沿いにはたくさんの屋台が立ち並び、ローカルフードを食べ歩くのもおすすめです。
さらに、パレードが始まる直前には、通りに溢れる人々が自慢の衣装を身に纏い、撮影会が開かれます。記念撮影のお願いも快く受けてくれるでしょう。
メイン会場では、パレードの開会宣言とともにアナウンスがなされ、順番にパレードが始まります。美しい衣装に身を包んだ人々が華やかな音楽に合わせてメインストリートを躍りながら進んでいきます。この壮大なエンターテイメントショーは、専用の観客席が通りの両側に設けられているので、そこからゆったりと観覧することができます。チケットは事前に購入しておくことをおすすめします。
ピーターコーン祭りの会場
ピーターコーン祭りは、ルーイ県ダンサーイ市で開催されます。ダンサーイ市は、タイ東北部に位置し、イサーンとして知られる地域に属しています。イサーンはコラート高原からメコン川流域にかけて広がり、古代文明の栄光を誇る歴史的な地域です。
ここでは数々の遺跡やモニュメントが残り、タイの自然の息吹を感じることができます。ルーイ県ダンサーイ市は特にメコン川に近く、ラオスとの国境に位置しています。美しい山々に囲まれたこの街は霧に包まれ、豊かな緑に彩られています。
バンコクとは異なるエネルギッシュな雰囲気を持ち、タイ東北部ののどかな風景をゆったりと楽しむことができます。
ピーターコーン祭りのアクセス
ピーターコーン祭りが開催されるルーイ県ダンサーイ市へのアクセスは、飛行機がおすすめです。毎日、バンコクからルーイへの便を運航しているエア・アジア(AirAsia)とノック・エアー(Nok Air)を利用することができます。お祭りの直前に到着すると、空港で民族衣装に身を包んだ人々が踊りを披露し、熱狂的な歓迎をしてくれるでしょう。
ルーイ空港からダンサーイ市までの距離は約85kmで、路線バスや空港バスの運行はありませんので、タクシーをチャーターすることをおすすめします。タクシーの車窓から広がるのどかな田園風景を眺めながら、タイの田舎の雰囲気を存分に味わいましょう。
ピーターコーン祭りと一緒に行きたい周辺観光スポット
ルーイ県でのピーターコーン祭り参加と一緒に、魅力的な観光スポットをご紹介いたします。
プラタート・シーソンラック
プラタート・シーソンラックはマン川沿いに位置する古い寺院で、訪れる際には階段を登る前に帽子と靴を脱ぐ必要があります。この寺院は真理との関係を重んじて建てられたものであり、血や暴力を連想させる赤い服を着たままでの参拝は避けるべきです。当然ながら、赤い花を供えることも控えましょう。また、3歳未満の幼児は入山を禁じられています。
この寺院には、チベット様式の七つの頭を持つナーガが守る仏陀像が安置されていると伝えられています。1560年にアユタヤ国王チャクラパットとラーン・チャーン王国のセーターティラート王は、侵攻を繰り返すビルマのタウングー朝に対抗するため、両国の不可侵条約を結び、マン川を国境と定めました。和平の記念として、両国はプラタート・シーソンラックをマン川のほとりに建立し、石碑を残しました。
プラタートは1563年に完成しましたが、同年にアユタヤはビルマの侵攻を受け、ビルマの属国となってしまいました。一方、ラーンチャーン王国は1560年にビルマの侵攻から逃れるためにルアンプラバーンからビエンチャンに遷都しましたが、1574年に再びビルマ軍に占領され、その後はタウングー朝の属国となりました。
メコン川沿いの町チェンカーン
ルーイ市街から北へ車で約1時間、メコン川に面したチェンカーンという小さな町が注目を集めています。最近では若者や外国人観光客も増え、穏やかな雰囲気が魅力です。チェンカーンに到着したら、ノスタルジックな雰囲気漂う「The Old Chiangkhan Boutique Hotel」に宿泊してみてください。夜には街の屋台マーケットに足を運び、ローカルなイサーン料理を楽しむのもおすすめです。また、朝にはホテルの前の通りで僧侶たちの托鉢体験もできます。これは日本ではなかなかできない貴重な体験です。
タイダム族の村
タイダム族は、現在のベトナムのディエン・ビエン・フー市周辺の山岳地帯に住んでいた民族です。1884年に一部の人々がチェンカーンに連行され、彼らは黒い衣装を身にまとっていることから「タイダム=黒タイ」として知られています。彼らは独自の言語を持ち、精霊を崇拝するなど伝統的な習慣を守りながら生活しています。ピーターコーン祭りのルーイ県からは少し距離がありますが、タイ北東部の文化に触れる絶好の場所ですので、旅程を調整してでも訪れる価値があります。彼らの村を訪れると、民族衣装を身にまとい、一緒に踊ったり、市場で魚や生活道具を売買したり、共に食事を楽しむことができます。この体験を通じて、未知のタイの魅力を発見することができるでしょう。
ピーターコーン祭りに行こう
ピーターコーン祭りは、色彩豊かで活気にあふれたお祭りとして知られており、地域の文化や伝統を祝う貴重な機会でもあります。このお祭りに参加することで、仏教の説話に触れながら、楽しみと喜びを共有することができるでしょう。ぜひ、ピーターコーン祭りの魅力を体験してみてください。