カリマンタン島は、世界第三の大きさを誇る「ボルネオ島」の3分の2を占め、200以上の部族が住む地域です。この地域は、熱帯雨林が広がり、多数の野生動物が生息しています。特にオランウータンは、ジャングルの中でしか見ることのできない貴重な生き物です。そんな貴重なオランウータンを、身近で観察できるチャンスをお見逃しなく。
「森の人」オランウータンについて
オランウータン(Orang Utan)とは、インドネシア語で「森の人」という意味があります。彼らは主にスマトラ島北部とボルネオ島に生息していますが、熱帯の森林が急速に失われているため、絶滅の危機に瀕しています。過去100年間で、80%近くの個体数が減少したとされています。主な原因は、違法伐採、農地開発、密猟、密輸、そして地球温暖化などが挙げられます。この危機的状況を踏まえ、オランウータンの保護に向けた取り組みが必要です。
オランウータンという言葉は、もともと海岸部の人が奥地に居住する民族を指す言葉でした。ところがヨーロッパ人がこの言葉を誤解したことにより、今日ではオランウータンという言葉が、森林に生息する霊長類の動物を指すようになりました。
オランウータンに会えるカリマンタン島
カリマンタン島は世界で3番目に大きな島で、ブルネイ、インドネシア、マレーシアの3か国によって領土が分かれています。その中でも、インドネシアのカリマンタン島は広大なジャングルが広がり、200種以上の生き物や様々な野生動物が生息しています。世界の3/4のオランウータンが生息する場所でもあり、絶滅の危機に瀕した森の人たちの住処でもあります。野生のオランウータンに出会えるのは、スマトラ島とカリマンタン島のみとなっています。
オランウータンに会いたい
オランウータンは、主にインドネシアのスマトラ島北部に生息していますが、観光用に整備されていないため、カリマンタン島(ボルネオ島)での鑑賞がおすすめです。カリマンタン島では、オランウータンの保護センターがありますのでオランウータンについて学ぶことができたり、ジャングルクルーズを楽しみながらオランウータンを近くで鑑賞できたりと、旅の目的に合わせて様々な体験ができます。
パンカランブンのキャンプ・リーキー
パンカランブンは、ジャカルタから飛行機で約3時間半の距離にあります。この地域は、タンジュン・プティン国立公園の入口として知られており、世界最大のオランウータン観察地である「キャンプ・リーキー」があります。ここでは、野生のオランウータンとの遭遇率が非常に高いと言われており、オランウータンに会いたい方には絶好のスポットです。キャンプ・リーキーでは、オランウータンだけでなく、サイチョウ、ワニ、テングザルなど、多種多様な動植物にも出会えます。
往復100kmの船旅で、クルーズ船からオランウータンを鑑賞することができます。クルーズ船内には、エアコン付きの寝室、バス・トイレ、専用シェフによる食事が提供されているので、快適な環境でオランウータン観察を楽しむことができます。夜になると、ボートのライトだけが光るため、ジャングルの満天の星空やホタルの幻想的な光とともに、キャンドル・ディナーを楽しめます。周囲には水の音や野生動物の声だけが聞こえ、自然を満喫できるワイルドかつロマンティックな雰囲気が漂います。
パランカラヤのオランウータン生存財団
パランカラヤは、ジャカルタから飛行機で約2時間の距離に位置しています。ここには、ボルネオ・オランウータン生存財団(BOS)が運営するオランウータン保護センターがあります。
パランカラヤのオランウータン保護センターへは、ジャングルの中をリバークルーズで向かうことができます。保護センターでは、オランウータンへの餌付け体験やオランウータン保護プログラムなどを通じて、インドネシアの大自然について学ぶことができます。
バリクパパンのオランウータン生存財団
バリクパパンは、ジャカルタから飛行機で約2時間の距離に位置しています。ここには、ボルネオ・オランウータン生存財団(BOS)が運営するエコロッジがあります。バリクパパンにもオランウータン保護センターがあり、このエコロッジの裏側に隣接していますので、確実にオランウータンに会うことができます。パンカランブンやパランカラヤと比べると、ジャカルタからバリクパパンへ飛ぶ飛行機の便は多いため、気軽に訪問することができます。
エコロッジでは、自然を満喫したい方にぴったりのアクティビティがたくさんあります。ヒタム川での川下りでは、テングザルに出会えるかもしれません。また、キャノピーウォークやワイン川クルーズでオランウータンを観察するなど、ジャングルのアクティビティも楽しめます。
オランウータンと大自然を楽しもう
いかがでしたか?カリマンタン島では、エコロッジやクルーズなど、さまざまな滞在スタイルが可能です。オランウータンを実際に見ることができるこの場所は、動物園では味わえない貴重な体験ができます。オランウータンの保護について学ぶことは、エコロジーやSDGs、動物との共存について理解するための一歩となります。カリマンタン島へ、大自然を存分に楽しみに行きましょう。