ベトナムは世界で2番目に多くのコーヒーを生産する国であり、町中にはたくさんの甘いコーヒーショップが並んでいます。コーヒーは、豆や店によって個性が異なりますので、飲み比べて自分に合ったショップを見つけるのがおすすめです。また、ベトナムコーヒーのセットやインスタント粉なども、お土産にぴったりです。この記事では、ベトナムコーヒーについて紹介します。
世界第2位のコーヒー生産量を誇るベトナム
コーヒー生産国と聞くと中南米の国々、例えばコロンビアなどを思い浮かべるという人も多いかもしれませんが、実はベトナムも主要なコーヒー生産国です。ダクラク省、ラムドン省、ダクノン省は、ベトナム南中部の高原地域に位置し、ベトナムコーヒーの主要な産地です。
コーヒーにはアラビカ種とロブスタ種がありますが、ベトナムは特にロブスタ種の生産に強みを持っています。実際、ロブスタ種のみを見ると、世界全体の生産量の40%以上を占め、世界一のコーヒー生産国と言われています。
生産国 | 生産量(単位:t) |
---|---|
ブラジル | 2,993,780t |
ベトナム | 1,845,033t |
インドネシア | 765,415t |
コロンビア | 560,340t |
エチオピア | 456,000t |
ホンジュラス | 400,674t |
ベトナムコーヒーの特徴
ベトナムコーヒーの特徴の一つに、独自のフィルターである「カフェ・フィン」が挙げられます。このフィルターは、フランス植民地時代の金属フィルターを改良して作られており、穴が小さく、抽出には時間がかかります。ゆっくりとした抽出により、お湯とコーヒー粉が長時間触れ合うため、濃厚な味わいが特徴です。また、ベトナムコーヒーに使われるロブスタ種は強い香りがありますが、カフェ・フィンでの抽出により、その香りを抑えることができます。
ベトナムコーヒーの魅力
ベトナムコーヒーの最大の魅力は濃厚な味わいです。一般的な有名コーヒーブランドと比較すると、ベトナムコーヒーは豆の量が多く、水分が少ないため、非常に濃厚なコーヒーが抽出されます。
コーヒーショップ名 | コーヒー豆の量 | 水分 |
---|---|---|
STARBUCKS COFFEE | 10g | 180ml |
UCC | 10g | 160ml |
HIGHLANDS COFFEE | 20g | 110ml |
しかし、「こんなに濃いコーヒーは飲みづらいのでは?」と思われるかもしれませんが、練乳を加えて甘くしたコーヒーを、氷を入れたグラスに注いで冷やして飲むという方法があります。この方法を使えば、非常に濃厚な味わいのままで飲めるため、コーヒー好きにはたまらないでしょう。ただし、甘いものが苦手な人には少し厳しいかもしれません。コーヒーキャンディーを舐めているような甘い味わいが特徴的で、インスタントコーヒーでも十分に強い香りがします。濃厚な味わいのおかげで、氷を加えても水っぽくならず、最後までコーヒーの旨味を楽しめます。
ベトナム人に人気のコーヒーショップ
ベトナムコーヒーを味わうなら、ローカルの人気コーヒーショップに行ってみましょう。ここでは、ベトナム人に人気のあるコーヒーショップを4つご紹介します。
Trung Nguyên Legend(チュン グエン レジェンドカフェ)
ベトナム最大手のコーヒーブランドで、コーヒーの香り高さや濃厚な味わいが特徴です。全国に数多くの店舗を展開しているので、どこに行っても手軽に楽しめます。「G7」という有名なインスタントコーヒーを生産している会社が運営しています。他店に比べ、価格帯が少し高めですが、外装や店内から漂う高級感が魅力的です。
一般的に日本で飲まれているコーヒー豆はアラビカ種ですが、こちらのカフェではアラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種の3種類のコーヒー豆が使われています。コーヒーは、単一種類の豆を使用したものと、2種類以上の豆をブレンドしたものの2種類が用意されており、選んだコーヒーによって風味が異なります。中でも、3種類の豆をブレンドしたThe Breakthrough Energy(VND90,000≒約500円)はおすすめです。濃厚でありながら飲みやすく、独特の苦味が感じられるコーヒーです。
このカフェのコーヒーは、他のお店に比べて少し苦いと感じるかもしれませんが、味の深さや独自の特徴があるので、ぜひ一度試してみることをおすすめします。
HIGHLANDS COFFEE(ハイランズコーヒー)
ベトナムに250店舗も展開している、まさにスターバックスのようなコーヒーショップです。人気店ならではの定番メニューのベトナムコーヒーに加え、フルーツやハーブを使ったオリジナルドリンクも充実しています。自分好みにカスタマイズできるのも魅力のひとつです。
特におすすめは、カフェスアダー(VND35,000≒約180円)。まろやかで程よい苦みと甘みがバランスよく調和した味わいは、誰にでも好まれる味です。
また、お土産としては、ハイランズコーヒーの豆やタンブラーも人気があります。旅行者には特におすすめのお店です。
PHUC LONG(フックロンコーヒー)
1968年に創業された老舗チェーン店で、フック=幸福、ロン=龍という意味を持つベトナムの伝統的なキーワードを店名に採用しています。緑茶のつぼみと良質なコーヒー豆を研究していたことがカフェの始まりであり、現在は34店舗をホーチミンを中心に展開しています。
人気No.1はリッチミルクコーヒー(VND35,000≒約180円)で、甘さ控えめで飲みやすい口当たりが特徴的です。ベトナムの暑い気候にもぴったりな一杯です。店内のインテリアも素晴らしく、リラックスしてコーヒーを楽しめます。
Cộng Cà Phê(コンカフェ)
2007年にハノイに誕生したカフェ、コンカフェは「共産主義」を意味するCongという言葉が由来で、南北が分断されていた時代のハノイのカフェを再現したコンセプトが特徴です。
店内はレトロでおしゃれな雰囲気で、他のチェーン店とは一線を画しています。また、店員の制服も社会主義国らしく軍服風の服装となっています。
コンカフェで一番人気なのは、ココナッツミルクコーヒー(VND59,000≒約300円)です。特に、ベトナム在住の日本人の奥様方には大変人気があります。在住者からのお墨付きをいただいた美味しいドリンクなので、ぜひ試してみてください。
観光の休憩にベトナムコーヒーを味わおう
以上が、ベトナムのおすすめカフェチェーンの紹介でした。ホーチミン市内では、たくさんのコーヒーショップがありますので、散策しながら探してみるのも楽しいかもしれません。
カフェスアダーやカフェデンダーなど、甘いものから苦いものまで、自分好みの味わいを楽しめます。また、暑いベトナムでは水分補給も必要ですので、カフェで一息つきながら休憩するのも良いでしょう。
大手チェーン店だけでなく、地元のお店も多数ありますので、ぜひ自分好みのお気に入りのカフェを見つけてみてください。