チェンマイのコムローイ祭り:幻想的なランタンが織りなす夜空の美しさ

Khomloy
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タイ・チェンマイのコムローイ祭りは、夜空に浮かぶ無数のランタンが織りなす幻想的な美しさが特徴的です。近年ではSNSでも話題沸騰し、さらにディズニー映画「塔の上のラプンツェル」のモデルになったとも言われ、世界中の人々を魅了しています。そんなコムローイ祭りで、なぜランタンをあげるのか、いつ開催されるのかについて詳しくご紹介します。チェンマイの広い空に舞い上がる美しいランタンの光景を、ぜひお楽しみください。

目次

タイ・チェンマイの幻想的なランタン祭り「コムローイ祭り」とは?

「コムローイ」とは、タイ語で「灯篭」や「ランタン」を意味します。「コム(Khom)」は「光」を、「ローイ(Loi/Loy)」は「浮く、流す」という意味を持ちます。

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コムローイ祭りは、空に浮かぶランタンを空の神様に捧げ、豊作を祈願する伝統的な儀式です。1年に1度、感謝の気持ちを込めて美しいランタンを夜空に放ちます。

古代のタイでは、コムローイは通信手段として使用されていたとされています。この伝統が残る中、コムローイを空に放つことで、空の神様への感謝の気持ちを伝えることができると信じられてきました。この信仰が、コムローイ祭りが開催されるようになった理由の一つと言われています。また、コムローイは願い事を神様に伝えたり、罪を悔い改めるための儀式としても機能し、多くの人々にとってご利益のあるお祭りとして親しまれています。

タイのコムローイ祭りはいつ開催される?

タイのコムローイ祭りは、通常旧暦の12月の満月の夜に2日間にわたって開催されますが、実際の開催日は毎年異なります。そのため、お祭りに参加を考えている方は開催時期について注意が必要です。だいたい、10月の終わりから11月にかけての時期に行われています。

セカイチ

2023年のコムローイ祭りは11月27日(月)~11月28日(火)に予定されましたよ。

コムローイ祭りとロイクラトン祭りの違い

コムローイ祭りとしばしば一緒にされがちなロイクラトン祭りですが、実際には全く別のお祭りです。

ロイクラトン祭りは、タイで毎年11月の満月の夜に開催される伝統的なお祭りです。「ロイ(Loi/Loy)」はタイ語で「浮く、流す」という意味を持ち、「クラトーン(krathong)」はバナナの幹や葉っぱで作った灯籠を指します。バナナの幹や葉っぱで作った灯篭を川や湖などの水面に浮かべ、願い事を込めて流す行事です。一方、コムローイ祭りは、タイ北部で毎年旧暦の12月の満月の夜に開催され、空にコムローイを飛ばし、願い事を込めたり、豊作を祝うお祭りです。

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ロイクラトン祭りは、川の神様に感謝を捧げるタイのお祭りです。毎年旧暦の12月の満月の夜に開催され、河川の水位が最も高くなるこの時期に、神様が現れるとされています。花やキャンドルで飾り付けた灯籠を川に流し、心を清め、願い事を込めて祈りを捧げます。ロイクラトン祭りは、タイの文化の中でも特別な場であり、多くの人々が祭りのために集まります。

コムローイ祭りはタイ北部のチェンマイが発祥のお祭りで、現在でも主にチェンマイで開催されています。一方、ロイクラトン祭りはチェンマイだけでなく、バンコクやタイ全土で開催されているお祭りです。お祭りを楽しむ際には、旅行のご予定や滞在都市を考慮して選択するとよいでしょう。

タイのコムローイ祭りはどこで開催される?

コムローイ祭りの会場は、チェンマイ市内に複数あります。祭り自体はチェンマイ市内全体で行われています。また、コムローイ祭りには様々な形式があり、花火や仮面舞踏会などのイベントが開催されるお祭り会場もありますので、詳細は事前に確認することをおすすめします。

タイ人向けのコムローイ祭り

イーペン・サンサーイは、現地のタイ人が参加するローカルなお祭りがあります。このお祭りは観光客(外国人)は参加できませんし、華やかな演出や整備された会場はありません。コムローイ祭りに参加する際には、間違えないように注意しましょう。

観光客(外国人)向けのコムローイ祭り

また、観光客向けに企画されたコムローイ祭りもあります。会場では、コムローイの打ち上げ以外にも、伝統舞踊の鑑賞やタイの伝統料理の夕食、民芸品の販売など、さまざまな催し物が楽しめます。

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イーペン・ランナー・インターナショナルとランナー王朝コムローイ伝承祭りは、どちらも多数の参加者を誇る大規模なイベントです。いずれの会場でも、コムローイの打ち上げを楽しめますが、会場の規模によって、打ち上げるコムローイの数が増えるため、スケールの大きい幻想的な体験を長時間楽しむことができます。

タイ国外でも開催されているコムローイ祭り

タイのコムローイ祭りが世界的に有名ですが、近年ではディズニー映画で取り上げられた影響もあり、世界各地で同様のお祭りが開催されるようになっています。ここでは、その中でも大きな2つのお祭りを紹介します。

台湾で開催されるコムローイ祭り

台湾の十份で開催されるお祭りが「平渓天燈祭(ビンシーテンダンサイ)」。このお祭りは、旧暦のはじめの満月の日である元宵節に行われ、例年ですと2月の中旬に開催されます。ランタンを空に打ち上げることで、先祖に平和と無事を祈り、今後のご加護を願うためのお祭りです。

日本で開催されるコムローイ祭り

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驚くべきことに、日本でもコムローイ祭りが開催されています。開催日程が若干異なるため、タイと日本で年に2回楽しむことができますよ。

新潟県の津南市でもコムローイ祭りが開催されています。その名も「新潟津南スカイランタン」。つなん雪まつりの一環として2012年から開催され、2011年の東日本大震災の復興を祈願するために始められました。毎年、3月11日前後の金曜日と土曜日に行われます。

タイで開催されるコムローイ祭りの魅力

打ち上げられるコムローイの数

下の表を見ていただくとわかりますが、タイのコムローイ祭りでは、台湾の平渓天燈祭(ビンシーテンダンサイ)の約10倍、新潟津南スカイランタンの約5倍の数のランタンが打ち上げられます。参加者1人につき2つのランタンが配られることもあるため、1つのランタンを2人で打ち上げる台湾や日本のお祭りとは異なります。

お祭りコムローイの数
平渓天燈祭(ビンシーテンダンサイ)約200~300基(15~30分間隔で計約1,000基)
新潟津南スカイランタン約2,000基
タイのコムローイ祭り約8,000~10,000基

2つのお祭りを楽しむことができる

コムローイ祭りは、タイ全土で行われるロイクラトン祭りと同じ日程で開催されるため、同時に2つのお祭りを楽しむことができます。コムローイ祭りの会場には、ロイクラトン祭りのブースも用意されており、1つのお祭りに参加することで2つのお祭りを体験できるのは非常に魅力的です。

コムローイ祭りの当日のスケジュール

お祭りの会場は、コムローイを打ち上げるエリア、夕食をとるエリア、アクティビティ体験ができるエリアに分かれています。コムローイを打ち上げるエリアには、それぞれ指定された座席が用意されていますので、そこからコムローイを打ち上げることになります。

コムローイ祭りの会場は15時頃から入場可能ですが、コムローイの打ち上げは21時頃から始まります。会場内には、タイの雑貨屋さんやアクセサリー作りのワークショップ、民芸ショーなど、約20を超える出店があり、打ち上げまでの時間もタイの文化を存分に楽しむことができます。

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コムローイ祭り当日は、18時頃から夕食エリアがオープンします。観光客(外国人)向けのチケットには、会場内での夕食が付いています。タイ北部の特徴的なカントークスタイルで、ござの上で円卓を囲んで食事を楽しむことができます。チェンマイの伝統的な食文化に触れることのできる貴重な機会です。

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カントークとは、タイ北部で用いられる低い円形のテーブルのことを指します。何種類ものタイ北部の伝統料理を円卓に並べ、大人数で一緒に食べるスタイルです。通常は、結婚式などの特別なイベントで提供されることが多いです。カントークという特定の料理は存在しません。並べられる料理は多様であり、お店や地域によって個性が異なりますが、代表的な料理としては、ゲーンハンレー(ボークカレー)、ナンプリックオーン(トマトと豚肉のディップ)、ガイトート(鶏唐揚げ)、ケープムー(カリカリに揚げた豚の皮)などがあります。コムローイ祭りで、タイ北部の伝統料理を思う存分楽しむことができます。

20時頃には僧侶による開会セレモニーが行われ、21時頃からは待ちに待ったコムローイの打ち上げが始まります。通常は一斉にコムローイを打ち上げますが、イーペン・ランナー・インターナショナルやランナー王朝コムローイ伝承祭りなど、多数の参加者がいるお祭りでは、コムローイが空を舞う幻想的な時間が約1時間つづきます。

コムローイ祭り参加前に知っておきたいこと

チケットは事前購入

コムローイ祭りの参加には、事前予約が必要なチケットの購入が必須です。当日券は販売されておらず、予約なしでの参加はできません。このお祭りはタイ人にも非常に人気があるため、航空券や周辺のホテルもコムローイ祭り開催日が近づくと満席・満室になってくることがあります。参加を希望される方は、事前の予約とお早めの旅行計画をおすすめします。

着ていく服装

コムローイ祭りは、お祭りでありながら信仰を表す厳粛な仏教儀式です。仏教寺院では、入場時には露出の多い服装は避けるようにしてください。例えば、短パンやノースリーブ、または体のラインがはっきり出るレギンスなどの服装では、入場ができない場合がありますのでご注意ください。

多くのコムローイ祭りの会場は、舗装された場所がほとんどありません。コムローイの打ち上げ前には、様々なイベントが開催されますので、会場内を散策する際にも疲れないよう、動きやすく快適な服装で参加することをお勧めします。

さらに、南国で有名なタイですが、コムローイ祭りが開催される11月頃の夜は肌寒くなることもあります。羽織れる服を1枚持参することをおすすめします。

写真に思い出を残そう

せっかくのコムローイ祭りなので、幻想的な夜景をバックに綺麗な写真を撮りたいですよね。

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三脚を使えば綺麗な写真が撮れますが、コムローイの打ち上げ中は人の行き来が増えるため、三脚が倒れる可能性があります。コンパクトな三脚を選んだり、移動する人の邪魔にならない場所に設置することをお勧めします。また、打ち上げ中にシャッターを切るためには、ブルートゥースのリモコンが便利です。手ブレを防ぐためにも、リモコンを利用することをおすすめします。素晴らしい景色を写真に残すためには、リモートシャッターは必需品です。

コムローイ祭りに参加しよう

コムローイ祭りは毎年開催されますが、具体的な開催日は年によって異なります。タイのカレンダーに基づいて設定されるため、日本の週末や祝日と合致することは稀なことです。旅行の予定を立てる際にはタイのカレンダーもあわせて確認すると安心です。

コムローイ祭りは世界でも指折りの美しいお祭りの1つです。その美しさは、みなさまの一生の思い出として刻まれることでしょう。ぜひ一度、タイのチェンマイを訪れ、コムローイ祭りの美しい光景をご覧ください。きっと忘れられない旅の思い出になることでしょう。

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